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 本格焼酎は稀にフワフワとした白いオリが現われることがあります。パルミチン酸エチルやリノール酸エチルといった高級脂肪酸エチルエステルと呼ばれる焼酎の旨み成分が析出したものです。焼酎に含まれているこれらの旨味成分はアルコール度が高いほど、温度が高いほど多く溶け込む性質を持っています。この「焼酎の華」と呼ばれるオリを出さなくする為には、低温でオリをあらかじめ析出させた後、濾過して瓶詰めすれば防ぐことが出来ますが、それでは味が薄っぺらなものになってしまい、本格焼酎の特性を失うことになりかねません。伝統的な味わいを重視する焼酎ほど、この悩みが深くなります。特に、暖かい地域から寒冷地域へ送られる場合などには、いつもなら溶けきれなくなった旨み成分でわずかに白濁するだけですむところが、急激な温度変化で析出してオリになってしまうのです。この「焼酎の華」ができるためには、旨味成分を多く含んでいることと、急激な温度変化、そして直射日光に当らないなど保管条件がいいことの三つの条件が必要になります。このような焼酎は旨みをふんだんに含んだ品質の証しともいえるもので、そこに「焼酎の華」と呼ばれるゆえんがあります。この華は温めれば簡単に溶解してしまいますので、焼酎の味わいが変わることはありません。
本格焼酎の良さはその生まれた風土のかおりを漂わせているところにあります。オリを完全に出なくすることは、その焼酎から風土の味わいを取り除くことにつながりかねないのです。
( 平成11年2月21日 酒販ニュース掲載)
日本酒造組合中央会 提供
これだけは知っておきたい
酒販店のための本格焼酎の知識31
「焼酎の華 」 
         より抜粋転載構成。
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